眼鏡のその人


雲が落ちそうな朝
目紛しい1日が始まる前に
雨が零れないように傘をさして
眼鏡のその人に会いにゆくわ

鎌倉の紫陽花をひと目見たくて
寺巡りへと誘い込んだわ
だんだん雨が激しくなるから
足速に鼓動も隠したわ

少し休むかと手をひいて
すっぽり隠れた紫陽花の傍
その人の優しさが頬をつたって
今はただ水の葉音を聴いていたわ

下り坂道 隠れ宿で茶を煎れて
目と目が合って時を忘れたわ
古い駅舎の前で鳩を土産に
ふたりはただの男と女

詩:ありぃ
画像:pixaby

吟優銘花=ginyumeika=

つれづれと詩や小説、写真を載せております。 詩に馴染みがなくても、手紙だと思って噛み締めて受け止めていただけたら幸いです。

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